ユリネは、取り出した小さなボトルを梨乃の顔の前につき出しシュッと吹きかけた。



「わ、なに?」

「私が作った香水、いい匂いでしょ?」

「え?あ、ほんとだ。甘い匂いね」




驚いた梨乃だったが、その甘い匂いに表情を緩ませる。



「お、おい。お前ら知り合いだったのか?」

「プリンセス?」

「え、あ、そう。元の世界で同じ学校に通ってて親友だったんだ」

「そうなの。会えてよかったよ、梨乃」





思いもよらぬこの再会に、梨乃だけでなくシドやクロウも戸惑いを隠せなかった。
ヘルスター王国のプリンセスと梨乃が元の世界で仲よくなっていた。




「じゃあね、バイバイ」

「うん。またね」



ゆりねに手を振り別れた梨乃たちは、ロイたちが待つ馬車に急いだ。