「どうして、どうして、エスターンの騎士になっているの?あの時は、騎士にはならないって言っていたのに」
「・・・なりたくても、ならせてもらえなかっただろ」
「そんな事、私が頼めばなれたわ!」
「それに、騎士になんかなるつもりはなかった」
「だったら、どうして!?」
声を荒げるユリネ。
シドはため息を吐き額に手を置いた。
「護りたいものができた。それだけだ」
「護りたいもの・・・?なによそれ。シドまでそんなことを言うの?」
「なんのことだ」
「カノンもシドも、どうしてあんなのがいいの?プリンセス、プリンセスって、私と何が違うのよ。あんな、甘ったれたプリンセスより私の方がずっと!」
「おい、やめろ。なんの話だ」
取り乱すユリネを咎めながら、シドは表情を険しくさせる。
ユリネは唇を噛みしめ扉の向こうを睨みつけるように見た。