「まぁ、半分冗談だが。本当に、お前たちはよくしてくれている。梨乃がこうして前向きになれたのもお前たちのおかげだろう」
「いえ、そんな・・・」
「これからも、梨乃を支えてやってほしい」
「もちろんにございます」
深々と頭を下げる3人。
梨乃は気恥ずかしくも嬉しく微笑む。
「プリンセス、その資料は、おそらくカノン救出に役に立つものだと思います。どうぞお使いください」
「ありがとうございます」
梨乃はお礼を言い頭を下げる。
そして、梨乃たちはその場を後にした。
静かになった部屋で国王はナトリに声をかける。
「梨乃のおかげで、この城の中はずいぶん賑やかになった」
「ええ」
「誰もかれも、いい顔をしておるわ」
「はい。さようでございますね」
「それにしても、もう少し甘えてほしいものだがなぁ」
少し切なげに国王は呟いた。