「懐く・・・」
「そうであろう?ロイはわし付きの騎士だったはずだが、すっかり梨乃のところに入り浸っておるではないか」
「そ、それは!プリンセス付きの騎士がまだ育っていないからで・・・!」
「言い訳は聞きとうないわ。わしにはナトリがおる。お前は梨乃の側に入り浸っておれ」
「こ、国王様・・・」
へそを曲げた国王の言葉に、ロイは戸惑う。
「ロイ。お前自身の気持ちはどうなのだ」
国王に変わり、助け舟を出したのはナトリ。
ナトリの問いにロイは少し考える。
「俺は・・・」
「本心を述べればよい」
「・・・プリンセスをお守りしたいと思っています」
ロイはそう言うと深々と頭を下げた。
「ロイ、梨乃をしっかりと頼んだぞ」
国王はそう言うと嬉しそうに何度も頷いた。