「この世界は、今二つの国にわけられています」

「二つ?」



クロウは梨乃を本がたくさんある図書室へ連れて行き話を切り出した。
たくさんある本の中から地図帳を取り出し開いて見せる。
その地図には、大きな二つの大陸があった。




「この左側の大陸が、ここエスターン王国です。その中にも小さな国々があり、それをミラン国王がおさめていらっしゃいます」

「小さい国がたくさんあって、それを纏めてエスターン王国っていう事?」

「さようです」



梨乃は地図に視線を落としまじまじと見つめる。
小さく国の名前が書かれているが、梨乃にはその字は読めなかった。




「そして、右側の大陸はヘルスター王国。今我が国と敵対している国です」

「敵対?」

「17年前、国はまだ統一されいなかった時、国は荒れどこかしこで戦が起きていました。それをどうにかここまでまとめあげ、統一されましたが国は二つに分かれたまま、戦は今もなお続いています」

「え・・・?」

「ヘルスター王国は、エスターン王国を取り込もうといまだ戦を仕掛けてきています」




戦・・・。
梨乃にはあまりゆかりのないことだった。