――戻りたい!僕は、エスターンが、エスターンの人が大好きだから!
カノンの想いを聞いた梨乃は、カノンを助けるべく動くことを決意した。
梨乃は、国王の元へ向かい、謁見を申し込む。
国王を前に緊張気味に頭を下げる梨乃。
クロウ、ロイ、シドは後ろに控えている。
「梨乃、カノンの事だね」
「はい。カノンくんを助けたいと思っています」
「それは、わしも同じだ。だが、そう簡単にはいかないことはわかっているね」
「はい。ですから、国王様にお願いがあります」
凛とした態度で梨乃は言う。
「願いとは」
「私が、ヘルスター王国へいくことを許可してください」
「・・・っ!?」
そのことを聞かされていなかったクロウたちは動揺を隠せずうろたえる。
しかし国王の前だと思いとどまった。