「もう、そんな警戒しないで。カノン。私、ユリネ。あなたのお姉さんよ」

「姉・・・?」

「そう。母親は違うけどね」



ユリネと名乗るその少女は、にこやかに笑いながらカノンの側に座る。



「可愛そうなカノン。こんなところに閉じ込められて。手まで縛られてるのね」

「・・・っ、姉ってことは、君はこの国のプリンセス?」

「ええ、そう。プリンセスよ」





少しきつめの、高飛車な空気を感じ、自分の知っているプリンセスとはだいぶ違うのだとカノンは思った。




「聞いたでしょう?あなたも、王子として呼び戻されたのよ。王位を継ぐ権利が持てるの。パッと出でずるいわよね」

「え?」

「本当は、私が王位を継ぐはずだったのよ」



ユリネはグッとカノンに詰め寄る。