その手紙には、突然いなくなって心配していること。
調べているうちに、カノンがダーク国王の隠し子かもしれないとわかったこと。
今、カノンがそこにいる状況が、カノンの意思によるものなら、カノンの幸せを願って、見守ることにすること。

でも、そうじゃないのなら、必ず助けに行く。カノンは、自分たちの大切な仲間で、家族だから。



そう書かれてあった。




「この手紙、返した方がいいんですよね」

「はい。気づかれるわけにはいきませんので。伝えたいことがあれば、必ず伝えると約束します」




カノンは手紙を封筒にしまうと格子から差し出した。
大事に持っておきたい、その気持ちを封印して。



「僕は――――」




カノンが返事をしようとした瞬間、ガチャガチャと鍵をあける音が聞こえ、ビクッと身体を震わせた。
戸惑いながらも、返事を諦め元のベッドに慌てて戻った。



「カノン―?」



明るい口調で扉を開き入ってきたのは、煌びやかなドレスを着ている女。
カノンは警戒しながらその女を見た。