「カノンくんの様子は・・・?」

「あの日は、本当にいい笑顔でした。プリンセスがお戻りになって、城がずっと明るくなったんだと。毎日が楽しくて輝いていると、楽しそうに話していたんです」




アリア施設長は思い返すように視線を上にあげ、カノンの楽しそうだった様子を話した。



「ですから、いいところに雇ってもらってよかったじゃないかと、話したんです。同じ頃に施設を出た仲間たちも時期をかぶせて帰ってきてましてね、それはそれは思い出話に花を咲かせたりとても賑やかでしたわ」

「そうだったんですね。カノンくんが、楽しんでいたなら安心しました」

「ええ・・・。特に変わった・・・あ・・・」




アリア施設長はふと思い出したように目を見開く。
梨乃は側に控えていたクロウと視線を合わせると、アリア施設長の言葉を待った。




「そ、そういえば・・・!プリンセスとお話していて思い出したわ」

「なんでしょう?」

「ここに来た時に、少し表情が暗かったんです。だから、どうかしたのと尋ねたら、なにやら誰かにつけられていたような気がすると」

「え・・・?」