「あの、私一度カノンくんが育った施設に行ってみたい」
「プリンセス自らですか?」
「うん・・・。公務としてでもいいから、どうにかできないかな?」
自分にできることは少ない。
それでも、できうることを探したい。
梨乃はその一心だった。
「わかりました。そのように手配いたします」
クロウは、梨乃の思いを酌みそう告げると、すぐにでも動けるよう準備のため席を外した。
梨乃の知らないところで、何かが起きている。
「・・・しっかりしなきゃ。私が護らなきゃ」
プリンセスとして生きていくと決めた。
だから、迷うわけにはいかない。
支えてくれるみんなのためにも。
強くいなくちゃ――――――。