「あなたの生活は、我々が保証します。なにがあっても、必ずお守りいたします。ですからどうか、我々の事を信じていただきたい」
「そんなこと・・・」
「すぐには難しいことはわかっています。ですが・・・」
クロウは跪き、俯いた梨乃の顔を覗き込むようにして訴えた。
その言葉に嘘がないことは梨乃にもわかった。
だが、心が受け入れられなかった。
今まで生きてきた、真実だと思っていた場所が全てうそだったと知った今。
なにを信じていいのか、わからなくなっていた。
「あなたを、お守りさせてください」
「クロウさん・・・」
「クロウで、構いません」
「・・・クロウ」
「はい」
クロウは優しく微笑みかける。
梨乃は、まっすぐにクロウを見つめ小さく頷いた。
逃げることはできない。
納得すること。
それしか道はないのだと知った。
ここで生きていくしか・・・。