シドは結局、引き続き騎士としてここにとどまることを決め、ナトリにもそう宣言した。
梨乃に言われたことで、少し踏ん切りがつき少し前のシドへ戻りつつあった。




「・・・ヘルスター王国のプリンセスは、名をユリネ=ターナーという」

「え?」

「最近の事は知らないが、確かに、ここ4年ほど姿を消していた」

「お前、なぜそんな詳しいことを知っている」




シドがはっきりとそう告げると、ロイが驚いたように声を上げた。
まるで確信があるようなその発言に、同じく梨乃もシドを見た。




「・・・出身自体はエスターンだが、俺はヘルスター王国で育ったからな」

「え?」

「お前、ヘルスター王国にいたのか!?」



ロイも、初めて聞いた事実に驚きを隠せない。
クロウは、苦々しい表情を浮かべていた。



「じゃあ、その情報は正しいという事か」




驚きながらも、冷静にそう分析するロイ。