「シドは、間違ってなんかない!向いてなくなんかないよ!」
梨乃が叫ぶ。
「シドは、私を助けてくれた。シドがいなかったら私、死んでた!護ってくれたんだよ!」
「あの時俺は、ただ頭に血が上って剣を振るっただけだ。なんの罪悪感もなく殺した」
「命は、尊いもの。大切にしなくちゃいけない。無闇に殺すことはよくない。絶対にダメだよ。反省はしなくちゃ、償うことは必要だと思う・・・」
なんと言えば伝わるだろう。
わかってほしい。
「それでも、シドは私を助けてくれた。シドは騎士だよ。私に、必要な人なの」
「・・・んで、なんでお前はいつもそうやって!」
悲痛な声をあげ、シドが振り向く。
言葉を詰まらせ握った拳に震える身体。
「私の事、シドが護ってくれるんでしょう?」
その決意は、今でも―――――。
「・・・っ、わかってるよ!」
ちゃんと、心(ここ)にあるのに。