「どうして出歩いて!痛みはとれていないでしょう?それに、このような場所に」

「うん。ごめんね・・・。皆が、謹慎処分になったって聞いて、あの・・・」

「そのようなこと・・・。当然の罰なんです。我々は、プリンセスを護ることができませんでした。本当に、申し訳ございません」

「申し訳ございません」



深く、深く頭を下げた二人。
責任を、感じているんだと。




「・・・二人が、怪我してなくてよかった」

「え?」





ポツリと呟かれた言葉。
クロウとロイは顔をあげ、梨乃を見る。
梨乃は悲しげに頬笑んでいた。

その表情に、胸がちくりと痛む。




「謹慎処分って、どれくらい?」

「え・・・、あ、おそらく2週間ほどだと」

「2週間か・・・。よかった。もっと長いのかと思ってた。十分長いけど。皆が帰ってくるまで、私頑張ってるね」

「プリンセス・・・」



無理して明るく振る舞っているような梨乃に、なにも言えなくなる。
怖ろしかったに違いない。
今でも、その恐怖はぬぐえてはいないはずなのに。
こうして、笑っていようとしてくれる。