「ロ、ロイ・・・?」
「プ、プリンセス、なぜこのような所に・・・。怪我をしておられるのに出歩かれては!」
いつも、きりっとしているロイが珍しくテンパっている様子に驚きながらも、心配をかけてしまったのだと胸を痛める。
そう言えば、ロイには部屋で別れてからちゃんと会えていなかったのだと気付いた。
「あの、皆が、謹慎処分になったって聞いて・・・。さっき、クロウの部屋もノックしたんだけど、返事がなくて・・・だから」
「クロウさまなら・・・」
説明する梨乃に、戸惑いが収まらないロイだったが、クロウの名に部屋の奥を覗き見る。
「クロウさま!出てきて大丈夫です」
「え?」
「あ、すみません。クロウさまは俺の部屋に。ですが、謹慎処分の身なので人が訪ねてきたと隠れていただいていたんです」
「・・・いったい、誰だ・・・プリンセス!?」
部屋の奥から顔を覗かせたクロウは、先ほどのロイ同様驚きに声をあげた。