「失礼しました」
国王の部屋を後にし、梨乃はクロウたちの部屋に向かう。
歩きながら、先ほどの国王との会話を思い返していた。
途中から、自然とお父様と呼んでいた自分。
そして、温かかった国王の優しさ。
もっと、強くなりたいと。
もっと、支えたいと思えた。
「会いに行って、よかったな・・・」
少し、距離が近づけたようなそんな気がした。
クロウの部屋とロイの部屋は隣同士だと聞き、その部屋の前に立つ。
どちらから会いに行こうかと悩んだ結果、なんとなくクロウの部屋に決めた。
トントンとノックをする。
しばらく待てども開く様子はない。
謹慎なんじゃ・・・。
そう思いながら気を取り直しロイの部屋に向かった。
気を取り直してロイの部屋をノックすると、中から返事をする声がした。