「梨乃。どうしてここに。身体は大丈夫かい?」
梨乃が入ると、国王はとても心配そうに声をかけた。
「ご心配をおかけしてすみませんでした」
「・・・娘の心配をするのは当然だよ」
他人行儀な梨乃の態度に苦笑を浮かべ国王は優しくそういった。
国王としてではなく、父親として心配してくれているのだと梨乃は気づき、気恥ずかしくも嬉しく思った。
「あ、ありがとうございます・・・。お、お父様・・・」
「・・・梨乃」
照れながらもそう言った梨乃に、国王は目を見張り、とても嬉しそうに笑った。
「それにしても、梨乃が訪ねてくれるなんて珍しいじゃないか」
「・・・今回の事、謝らなきゃと思って」
梨乃の言葉に、国王は眉を寄せた。