「梨乃さまッ!」
ゆっくりと瞳を開いた梨乃を覗き込み、ミオが泣き出しそうな顔で声をあげた。
瞬きを数回繰り返し、自分に起きた状況を思い返す。
「―――ああ」
ああそうかと思い出す。
だからこんなに心配顔なのかと。
「お気分はいかがですか?どこかしんどいところは」
「・・・大丈夫」
頬の痛みも、腹部の痛みもあるけれど。
心は比較的穏やかだ。
二人の姿に、すっかり馴染んだ自分の部屋。
それが安心感を生んだのか。
「ねぇ・・・、あれから、どうなったの・・・?」
「え、あ・・・」
梨乃の問いかけに、戸惑ったように言葉を詰まらせたミオが助けを求めるようにセレナを見る。
「梨乃さまをさらった一味は全員捕らえたそうです。私たちは、その程度の情報しか・・・」
「そっか、ありがとう・・・」