でも、それは、ただの錯覚。 この手は、護るための手じゃない。 殺すための手だ。 壊すための手だ。 そういう生き方しかしてこなかった。 他の生き方をする気もなかった。 今更、変わることなんて、できやしなかった。 瞳が綺麗だと言われたくらいで。 バカバカしい。 この手が汚れていることくらい、ずいぶん前から知っていたはずじゃないか。 なにをいまさら。 夢を見ようとしてた。 夢は、醒めるものだ。