「戸惑うのも仕方ありませんね。とりあえず、国王様の元へ」
「こく・・・おう・・・?」
訳が分からず理解できない状況に困惑する。
梨乃は促されるままクロウについて歩き出した。
歩き出した廊下は今まで見たことのないようなデザインのものばかり。
洋風の装飾はどれも高級そうで梨乃は居心地が悪かった。
「あ、あの・・・どこへ・・・」
「もうすぐです。静かについてきてください」
「・・・はい」
いったいここはどこなのだろう。
そしてクロウという彼はいったい何者。
どうして自分はここに入るのだろう。
疑問ばかりが浮かぶ。
そしてやってきたのは、大きな扉の前。
「ここは国王の執務室です。ここに国王はいらっしゃいます。プリンセスをお待ちですから、中へどうぞ」
「さっきからプリンセスって一体・・・」
「どうぞ」
梨乃の疑問はクロウにかき消され中へと促される。
梨乃は仕方なく小さくノックをするとその大きな扉を開いた。