「ここがドーベル王国・・・」



無事に目的地まで到着し馬車を下りた梨乃は辺りを見渡す。
目の前にそびえる城を見上げた。




「大きなお城」



エスターンの城と比べればこちらの方が一回りほど小さな城だ。
それでも、城にあまり接点のない梨乃はエスターン以外で見る初めての城に感動を覚えた。



「プリンセス、行きますよ」

「あ、はい」



クロウに促され慌てて歩き出す。
それに続くように、護衛のシドやロイたちも続いた。




「これはこれはプリンセス。ようこそドーベル王国へ」




接見の間に通された一行は、ドーベル王国の王である、ルベルト王に迎えられた。



「この度は、お時間を割いていただきありがとうございます」



恭しく梨乃もプリンセスらしくお辞儀をする。