「クロウも・・・、なんだかシドの事気にしているみたい」
正直に思ったことが口についた。
初め、あれほど反対していたのに。
なんだかんだと気にしているように思える。
心配しているというか、気を回している。
「ええ・・・。たった一人の、家族ですから」
「え?」
「私の、弟なのですよ」
「お、弟!?」
身を乗り出し驚く。
まさか、そんな。
知らなかった。
誰も教えてくれなかったし。
「兄弟、だったんだ・・・」
「ええ。一緒に暮らしたことはありませんが」
「え?」
「両親が、離婚しまして。別々に育ったんです」
「そうだったんだ・・・」
そんな過去があったのだと。
全く性格の違う二人。