その日から、梨乃の公務に向けてのレッスンや勉強が開始された。
ドーベル国の歴史や成り立ち、名産や名所などあらゆる知識をいれていく。

そしてプリンセスとしての立ち振る舞いをしっかりと身に着けていく。




「プリンセス、少し休憩にいたしましょう。お茶の用意をいたします」

「ありがとう。でも、もう少しだけ・・・」



梨乃自身も、とても真剣に勉強を進めていった。
それは、シドに誓った覚悟があったから。

それがあるから頑張れた。




「では、もうしばらくお付き合いいたします」




そんな梨乃に、クロウはとことん付き従おうと決めた。
梨乃の力になるために。





「クロウ、ここを教えてほしいんだけど・・・」

「はい。ああ、これはですね・・・」




梨乃が、迷わず進んでいけるようにと。