「あっ!あなた!」 梨乃は踵を返し駆け出した。 溢れだした涙が風に散り。 人の流れを逆走しながら走る。 なにかが変わってしまった。 どうして。 わからない。 「・・・みんな、どうしてっ」 助けて。 誰か。 元の毎日に戻して。 ―帰って・・・おいで・・・ 声が。 する。