「プリンセスの状態は」
「ただ気を失ってるだけだって。しばらくしたら目を覚ますって」
「そうですか」
クロウはホッと肩を落とす。
話の進まない状況にシドは苛立ちを覚える。
「おい!そんな事より、教えろよ。あいつのあの様子、異常だった」
「確かに・・・。この世界はいまだ戦の脅威にさらされています。ですから、悲しいことに、こういったことに慣れているものですが、プリンセスはまるで初めて見るかのような反応でした」
ロイも思い返しながらそうつづけた。
クロウは、少し考え込み仕方ない、と小さくため息を吐いた。
「プリンセスは、生まれてすぐこの世界の脅威から守るため異世界に行っていたのです」
「い、せかい・・・?」
想定外の答えに、たどたどしく答える。
異世界とは、どういう事なのか。
シドにもロイにもいまいちピンとこなかった。