「おい、クロウはどこだ」

「お前・・・、プリンセスはどうした」



武道場に戻って来たシドは声を荒げる。
ロイは怪訝な顔をしてシドに向かい合う。
そんなロイに見向きもせずシドはきょろきょろと辺りを見渡す。




「騒がしいですね」

「クロウさま」




騒いでいるシドに気づいたクロウが眉を顰め声をかける。
ロイが頭を下げ挨拶をする。



「てめぇ!なんか知ってるなら教えろ!」

「なんですか、騒々しい。今はあなたの相手をしている暇はありませんよ」

「うるせぇ!あいつの事だよ!あいつ、ここに来て顔を青ざめて倒れたんだ!」

「プリンセスですか!?倒れたですって!?」



シドの言葉にクロウの表情が変わる。
クロウはシドの腕を掴み、人気のないところに移動した。


「おいっ」

「こんなところで立ち話をしていると目立ちます。場所を変えましょう」

「私もご一緒させてください!」



ロイもそんな二人についていった。