梨乃がたどり着いたのは武道場。
そこは慌ただしくナース服の女の人や医師姿の男の人が駆け回っている。
武道場にはたくさんの騎士たちが運ばれており、騒然としていた。
「・・・なに、これ・・・」
想像以上に悲惨な状況に梨乃は言葉を失った。
ガクガクと体が震え、恐怖に声が震えた。
「プリンセス・・・!?なぜプリンセスがこのような場所に」
「・・・ロイ」
梨乃の姿を見つけたのは入り口側に立っていたロイ。
梨乃はロイの姿にホッとしたが、すぐにロイの腕から血がポタポタと滴っているのを見つけ顔を青ざめた。
「ロイ、それ・・・っ」
「ああ・・・。これくらい平気です。今は他のするべきことがありますので」
「でもっ、血が・・・っ」
「この程度の怪我、怪我のうちに入りません。心配は無用です」
チラリと自分の腕を見て、痛そうな様子も見せずサラリとそう答えた。
しかし梨乃は顔をどんどん青ざめていく。