ノックの音が部屋に響いた。
クロウの言葉にしんみりしていた梨乃だったがその音に我に返り視線を扉に向ける。
「はい」
梨乃が声をかけると、扉がゆっくりと開いた。
「失礼します。クロウさまは・・・」
中を伺うように入ってきたのは騎士の一人。
慌てた様子で息が切れていた。
「どうしました。プリンセスの前ですよ」
「すみません!ですが・・・!大変なんです!ヘルスター王国が攻めてきました!」
「な!詳しく聞かせてください。今の状況は!?」
騎士の報告に、クロウは声を荒げた。
ただならぬ雰囲気に梨乃も神妙な面持ちに。
「わかりました。あなたもすぐに他の騎士と合流してください。それからここにはシドを呼んでください」
「はい!失礼します」
クロウは騎士と言葉を交わし、騎士を送り出す。
すると、険しい表情のまま振り向いた。