「この国にプリンセスがいるって、俺も知らなかったな」

「うん・・・。最初は受け入れられなかったよ」

「受け入れられたのか?」

「・・・完全にはやっぱまだ無理だけど。私にできることをしようと思って。私を支えてくれるみんなのためにも」




それはただまっすぐで。
シドは、見惚れてしまっている自分に気づいた。



「そうかよ。じゃあ、頑張れ」

「うん。ありがとう」

「お前なら・・・」

「え?」




梨乃の視線がシドに向かう。
トクン、と胸が鳴りシドは言葉をのんだ。
戸惑いに視線を泳がせた。




「シド?」

「・・・っ、お前なら、いいプリンセスになれる・・・と思う」




たどたどしくそう言われ、梨乃は目を丸くした。
そして次の瞬間には満面の笑みに変わる。



「嬉しい、ありがとう!」




その笑顔を見てシドは、頬を赤く染め上げた。