「すぐに男たちを牢に運んでくれ。この事は決して来城者に知られぬように」
「はっ!」
「後、プリンセスにも絶対内密に」
「はっ!」
手短にそう言ったロイは、城に向かって歩き出す。
シドも追いかけるように駆け出した。
「おい。あいつら・・・」
「・・・ああ。おそらくヘルスター王国の者だろう」
「・・・」
「プリンセスが戻ってきたことを嗅ぎつけたんだろうな」
ついに動き出した。
梨乃にも危険が迫っているという事だ。
ロイは表情を硬くさせる。
「ていうか、お前喋り方変わってねぇ?」
「は?部下の前ではいつもこうだが」
「・・・ああそうかよ」
うんざり顔のシドはそれ以上なにも言わず黙ってついていった。