「…3人が売れてる証拠なの。勝負どきなのよ。ここで勢いを無くしちゃったら、あなた達の人気は落ちちゃうわ。」




瑞希は沙羅の肩を掴んで言った。




「…頑張って。リーダーのあなたに全部かかってるんだから。…ね?」




沙羅は顔を上げて瑞希を見た。




「はい…頑張ります。」




「支えるから、大丈夫だよ。」




「あたしも!頑張ろ、沙羅!」




晴樹と美那が見せた笑顔に、沙羅も笑顔で頷く。




「…ありがと。」




瑞希が先に歩き出し、3人もそれに続いた。




「…でも沙羅。」




瑞希と晴樹が次の撮影について話し始めたのを見て、美那は沙羅の腕を掴んだ。




「…リーダーなんだからさ、さっきみたいなことやめてよ。」




美那の声は冗談半分で言っているように明るかった。



さっきまで支えると明るく言ってくれていた美那の突然の言葉に、沙羅は驚いて美那を見た。



しかし美那の顔は、とても真剣だった。




「あたし達だってしんどいんだし。サポートしきれないんだから。」




「もちろん。分かってるよ。」




「………なら、いいの。」




沙羅には一瞬、美那の表情が少し冷たく感じた。