それから数日。

まだあのLIMEは返信していない。

それなのに毎日のようにあの男からのLIMEは届く。

「急にごめんね」「返信まってる‹‹\(///'ω'///)/››」
といったような、ウザイLIMEだ。

正直悩んでいる。もちろん付き合うつもりは無い。

もう何も関係を持ちたくないのだ。

「はぁ、、、」
ため息をついてしまう。

すると急に後ろから

「ため息つくと幸運が逃げてくぞぉぉ!吸わなくっちゃぁ!」
と明るい声が聞こえてきた。

奥田メイだ。髪は長く、ウェーブが軽く懸かっている。整った顔立ちだが、すこし濃い。クラスの中心的な女子で1番の親友。

メイの後ろからも

「何か、困った事あるの?」
と心配したような可愛らしい声が聞こえてくる。

声の主は田口あやめ。髪はショートで、正真正銘のお嬢様。優しい性格ですでに男子にモテモテだ。

「何でもない。何でもない。」
とヘラヘラと誤魔化す。

たがあやめが

「うそっっ。つぼみのヘラヘラ&ため息はすっごい困ってることがあるときでしょ?相談のるよ?」

それに続いてメイも

「マジ?!なになに?あ!分かった恋の悩みぃぃ?」

などと茶化してくる。

それに飽きれて
「メイには言いたくないわぁ。」
とまた誤魔化してみる。

そうするとメイが大声で

「ま、まさか!春輝に恋でもしたんか!」
と言う。

ありえない。それだけはありえない。

それどころか無理な話だ。何せ春輝はあやめの婚約者なのだ。

そう、春輝は有名企業の社長の1人息子。顔よし、頭よし、運動神経よし、と女子にモテモテな嫌なやつ。

「ナイナイ。それだけはない。」
と冷たく返す。

「何か、ごめんね。私と春輝が婚約してて。親が勝手に決めた事だから、私に遠慮しないでね。」

などと、ニヤニヤしながらあやめも茶化してくる。

もうめんどくさくなり、「はいはい。」と言いながらメイとあやめに数日前のLIMEの事を話した。


もちろん、小学生の時にイジメられていた事を伏せて…