「どうした?」


彼方くんの声で我に返る。

あ、鍵…


「な、なんでもない…。買い物行ってくる!」


慌てて財布だけ持って飛び出した。
きちんと鍵は閉めて。


どうしよう。どうしよう。どうしよう。

もう実らない恋だと本当に分かってしまった。

そして、私がした行為は…最低だ。

これは、不倫なのだろうか。