彼方くんを車の後部座席に寝かせ、私と亮は車に乗った。


「姉ちゃん彼氏?」

「え?!ち、ちがっ!」

「じゃあ、好きな人?」

「え?…あ、まぁ」

「ふーん」


なにこれ?!恥ずかしいんだけど!?


「まぁ、イケメンだし、いいんじゃね?まぁ、俺の方がイケメンだけど」

「は?調子のんな」

「すんませーん」


彼方くんの家に着くと、亮が彼方くんのことをおぶってくれた。


「彼方くん、鍵ある?」

「ポッケ…」

「あった」

ガチャッ

「えーと、とりあえずどこに寝かせればいいの?」

「あ、そこの扉の奥、右側の方ね!そこ寝室だから」

「え、姉ちゃんなんで知ってんの?」

「え、あ、ま、まぁ、色々だよ」

「へーぇ?」

ニヤニヤ笑いながら見てくる亮に若干の殺意が沸いた。