彼は心底心配…というような顔でのぞき込んできた。

少し焦った私は、もう一度ほほ笑みを浮かべ


「まだ、本調子じゃないからねー」


なんて言ってみる。
幸い彼方くんは信じてくれたようで、


「あ、そうだよね!ごめん!」


なんて、焦らせてしまった。


「あ、全然そんなつもりじゃなくて…」

「ううん!咲愛ちゃんが熱だから来たのに、悪化させちゃ大変だし!」


と言った。
そういえば!


「ねぇ!」

「は、はい!」

「あ、ごめん。おどかしたかったんじゃなくて、聞きたいことがあるんだけど」

「ん?なに?」