「中澤さんはどうしてこちらへ?」


目の前で、おばあちゃんと彼方くんが話していることが不思議で、夢なんじゃないかと疑ってしまう。


「妹の旦那の家に」

「妹さんがいらっしゃるんですね」


「ただいまー」

お父さんが帰ってきた。

「買い出しご苦労さま。さっちゃん、冷たいお茶出してあげて」

「はーい」

「あ、咲愛さんのお父さんですか?」

「あ、はい、え?恋人?え?咲愛?」

「もー、お父さんちゃんと彼方くんの話聞いてー」

「あ、ごめんなさい」

「いえいえ!咲愛さんが向こうにいたときにお世話になりました、中澤彼方と申します」

「あ、ご丁寧にどうも…、えっと、咲愛の父です」


すごくあわあわしているお父さんが少し可愛く見えた。