彼方くんは、すごく驚いた顔をしていた。
そして、脱力した。
でも、すぐに真剣な顔でまた話を始めた。


「咲愛ちゃん…、子供できたんだね」

「うん。冬馬と雪菜だよ」


動揺がいくらか収まった。
一瞬、それなら…と思ったけれど、迷惑に違いないから。


「結婚したってこと…だよね」

「ううん。シングルマザーだよ」

「え?でも、この子達のパパは…?」


あなただよ!そう叫びたくなった。
でも、叫べなかった。

とても頭が痛くなって、視界が揺らいで、私は意識を失った。