「かなた…くん…すき…」


つぶやいた声はかなたくんに聞こえることなく消えていった。


「おはよう。かなたくん」

「ん…。あ、れ？心雪…？」


ドクッ

心雪ってだれ？
好きな人？
元カノとか…？

「おはよう。咲愛だよ」

「あぁ。咲愛ちゃん…もうちょっと寝かせ…って咲愛ちゃん？！」


体にほんのり残っていた昨日の名残もさっきのことですっかり消えてしまった。

心雪…さん。

どんな人なんだろう。


「////昨日は、ごめんなさい！酔って調子に乗りました/////忘れて下さい！///」

名残は無くなっても、事実は残っていて。
紅くなる頬は照れを表していて。

罪悪感と歓喜の気持ちが私の心を苛む。

急いで服を取り彼方くんの腕から抜け出すとリビングで着替えた。