「もしもしおばあちゃん?今月末にはそっちに行くね。詳しいことは土曜に話す」

「分かったわ」


少し嬉しそうに言うおばあちゃんに胸がいたんだ。

シングルマザーになるって言ったらなんて言うだろう。
反対されるかな。
堕ろせって言われるかな。
いつも優しいおばあちゃんだからこそ、軽蔑、失望の目で見られるのが怖い。


「咲愛ー?」

「あ、知華どうしたの?」

ニコニコして、こっちへ向かってくる知華は嬉しそうだった。

「結婚式の日程が決まったの!っていうか、もう決まってたんだけど」

「いつ?」

「4月29日!
いきなりでごめんね!」


申し訳なさそうに手を合わせる彼女の頭を背伸びをして撫でた。