彼はレジの手を止めて話しかけてきた。


「あ、ちょっと待っててよ。俺、もう終わりなんだわ」

「あー、うん。いいよ」

「前の喫茶店で待っててもらえる?」

「いいよー」


まぁ、久しぶりだし、お話できるの嬉しいかな。

本屋を出て、目の前の喫茶に入る。


「いらっしゃいませ。お好きな席へどうぞ」


窓際の暖かな光のさす席に座る。

先になにか飲んでおこうとメニューを見て、ロイヤルミルクティーを頼む。

今日話したい日じゃなかったんだけどな。
でも、それで気が紛れるかな。

家族…亮に報告するか、やっぱり知華に言うべきなのか、子供はどこで育てればいいのか。

私にとっては、もう24。
でも、周りからしたら、まだ24。

仕事は辞めるべきなのか。
辞めるとしたらいつのタイミング?
引き継ぎもあるし、あ、そうだ。