とりあえず、ソファーに座っておくように言うと、俺も着替えに行った。
ささっとシャワーだけ浴びて戻ってくると、咲愛ちゃんはまた寝ていて。
しょうがなく、所謂お姫様抱っこなるものをしてベッドへ連れていった。


「…ん、かなたくんどこ行くの…?行っちゃや。一緒に寝るの」


おいおいおいおい。理性崩壊しかけてるんですけど。
咲愛ちゃん。
おやすみと、おでこにキスをすると…

「もっと。くちがいい」

甘い声で。舌っ足らずな声で。
せがんでくる咲愛ちゃんになけなしの理性は崩壊した。

触れるようなキスを繰り返し、どんどん深くなっていく。


「ん…んぁ…ふ…ぁ…」


咲愛ちゃんの甘い声が理性の崩壊に拍車を掛けていく。


少し目を開けた咲愛ちゃんの目はとろんとしているものの、酔はさめているようだった。


「咲愛ちゃん、酔ってるからここら辺でおしまい」

「やだ。私酔ってないもん」


甘いけれどしっかりした声で俺に告げてくる。
咲愛から私に一人称が変わったということは本当に酔はさめている。

なのに、彼女は言い放つのだ。


「かなた、私を抱いてくれないの?」


と。上目遣いで熱を帯びた瞳で俺の首に手を回して。

咲愛に深く深くキスをして、首筋に舌を這わせた。

「ん…ぁ」

甘い声が俺達の行為に拍車を掛けていく。












彼方side【完】