「あー。おれ、咲愛の元カレの轟 柊羽」

「あ、あなたが柊羽さん」

「あれ?話聞いてた?」

「あ、はい。咲愛ちゃんによくお話を」


もうやめて。
ここから一刻も早く立ち去りたい。
二度と会いたくなかったのに。


「も、う、いいでしょ?とっくに別れてるんだから。柊羽だって私に未練なんかないでしょうし、もう帰りたいんだけど」

「ほんと、相変わらず可愛くねぇ。あぁ。もう帰るか。今度お前んちに置いた荷物取りいくわ。どーせ、まだ彼氏出来てねぇんだろ」

「だから、余計なお世話だって言ってんの。だいたい、あんたの荷物なんてとっくに捨てたわ」

「はぁ?何勝手にやってんの?」

「はぁ?あんたが一方的に振ったんでしょ?何自分が正しいみたいに言ってくれちゃってんのよ。もう、帰るから。サヨナラ」

「とりあえず残ってる荷物取りに行くから。じゃあな」


私はホームに立っていた柊羽を置いて、改札を抜けた。

あ、そう言えば、彼方くん。