にへーっと笑った咲愛ちゃんに、胸を射抜かれた。

「なんで、普段クールだしサバサバしてんのに、酔うとこんなに可愛くなるかなぁ?」

なんて、聞こえてないことをいいことにつぶやく。

少しだけ後ろを向いて帰る準備をしていると、後ろからは規則正しい寝息が…

ウソだろ?

振り向くと咲愛ちゃんは寝ていた。
マジかよ。

準備が出来たので少し咲愛ちゃんが起きるのを待ってみる。


「咲愛ちゃん?」

「んー?あぁ!かなたくんだぁー」

////な、なんだこの可愛い生き物!
いや、マジ歴代の彼氏どもは何を見ていたんだ?!

「あんねー、さなねー、かなたくんちいきたいなぁー」

「酔ってるでしょ」

「えー。酔ってたら行っちゃダメなのー?」

呂律の回らない舌っ足らずな声で俺を誘わないでッッ!
マジ理性崩壊するからッッ!

「むー。いじわるー。じゃあ、ひとりでかえるもん」

「それはだめ」

「じゃあ、かなたくんちいくー」

「はぁ、分かった」