うまい。
普通にうまい。変なファミレスのハンバーグよりもうまい。
普通に食える。
「ね、ねえ?どう??おいしい?」
俺が、黙ってパクパク食べているからミイは不安な顔をして聞いてきた。
俺は、あんまり素直になりたくねぇーけど、これは予想以上にうまかったので、正直に言ってしまった。
「うまいんじゃねぇーの?」
あんまり、素直じゃねぇーか。
「ほ、ほんと!?本当に!?」
「お、おん。」
「ヤ、ヤッター!嬉しいー!コウに誉められたことなんて、そんなになかったからー。」
「俺、いつも誉めてんじゃん。」
「え!?どこが!?」
「まあ、色々とだよ。」
「絶対思い浮かばないんだよね。笑」
そう言えば、ミイのこと誉めたのはじめてだな。
俺、素直になれねぇーし。
「悪かった。(小声)」
「え…?」
「だから、悪かったって。」
「え…?嘘…。コウが謝った。またまたはじめてだ。
もう一回だけ言って!お願い!」
「やーだね。そんな、何回も言えるかよ。バーカ。」
「ちぇー。」
ミイはほっぺたを膨らまして、少しすねてた。
かわいいんだけど。ムカつくけどかわいい。
俺のなかでは素直になることにしよう。
自分のなかで嘘ついてちゃいけねぇーしな。特にミイのことではな。