「うん。コウとユイさんの過去のことは前、イクト君から聞いたんだけど…。」
「えぇ!?イクトから!?あんにゃろ~。」
「ち、違うくて。私が聞きたいって言ったの!イクト君は優しく話してくれただけで。
あ、しかも、イクト君ったら『コウのこと本気?』って、真面目に聞いてきたんだよ。大好きなんだね、コウのこと。」
「まあ、なんだかんだ言いながらイクトには世話になってるからな。」
「うん。それはみててわかるよ。
あ、それで話をもとに戻して、それで、その時私、ユイさんのことが嫌いだったの。
会ったことはなかったけど、コウを傷つけた人だから…。」
「うん。ありがとう。」
コウってば優しすぎるよ。
普通、『ありがとう』何て言わないよ。
最低だと思うよ。話を聞いただけで、会ったことのない人を嫌いになるなんて。
そう思うと、だんだん涙浮かんできた。
「それで、今日の昼ユイさんと会って、思ったより普通の顔でコウと普通に喋ってたら、この人、コウになにしたかわかってるの?って思ったの。」
コウはボロボロと出る涙を優しくぬぐってくれた。
「コウも、私と同じ気持ちなのかな?って思ってたら、コウは笑顔でユイさんと普通にしゃべってたから、私怖くなっちゃったの。」
「ミイ…。」
「コウがユイさんのところに行っちゃうんじゃないかって…。」