お昼休み。

ハルカとよく行くトマトカレーのお店に行く。

トマトだけの水分で作られたカレーはとてもあっさりとしていて何杯でもするする食べれるおいしさだった。

「ね、どうだった?カイトとの二日間は?」

「うん。」

ハルカははにかんで笑った。

ハルカが特定の男性にそんな恥じらいを見せた表情するなんて初めてだ。

きっと、今までになくカイトにはまっちゃったのかな。

「楽しかったよ。とても。」

「そうかー。そりゃよかった。いきなり強引なことされなかった?あいつ手が早いからー。」

「全然だよー。ものすごく紳士。とても真面目だし、礼儀正しいし。女の子をもてあそぶなんて雰囲気全くなかったよ。ミナミ先輩から聞いてたのと全然違うから逆にびっくりしちゃって。」

「カイトもハルカと真剣に付き合いたいって思ったんじゃないかな。よかったねぇ。ハルカも今までになくいい顔してるしさ。」

身内のようなカイトと、かわいがってるハルカがそんな関係になるなんて最近まで思いもしなかった。

若干微妙な気持ちではあるけれど、ハルカが幸せならそれもよし。

「実は、ずっと立花さんには憧れててさ。本当に夢が叶った二日間だったよ。」

「そうなの!ハルカってきっと誰かに密かに思いを寄せてる人がいるのかなーって思ってたんだけど、カイトだったの?」

「うん。実はね。」

ハルカはカレーを一口食べた。

「だけど、立花さんてミナミ先輩とずっと仲良しだったし、立花さんもきっとミナミ先輩のこと好きなんだろうなって思ってたの。」

「ないない。絶対ないし。」

顔の前で右手をぶんぶん振って、水を飲んだ。

「今でもそう思ってる。」

ハルカは意外と真面目な顔をして私を見つめた。

次の言葉で真意を確かめたいというような目で。

「本当にないよ。あるならとっくにどうにかなってるって。これはカイトもそう言ってたし。それに。」

「それに?」

「こないだカイトがハルカのことすごく褒めてて、真剣に付き合いたいみたいなこと言ってたよ。」

その途端、ハルカの頬がピンクに染まった。

これこれ。

女の私から見てもかわいいのよ。そりゃ、カイトもイチコロだよね。