オツキアイシテミマセンカ・・・?

なんていうか、すごく曖昧で消極的な言い方に聞こえるけど、要は付き合いませんか?ってことだよね。

シュンキの顔を見る。

そんな言葉を発したのが信じられないくらい普段通りの爽やかな顔でソフトを食べていた。

シュンキは私と目を合わせた。

「ミナミさんさえよければ、だけど。」

これまた消極的な言い方。

いわゆる草食系ってタイプなんだろうか。

少し考える。

これって、やっぱりどう考えても受けるべきだよね。

結婚云々を考える前に、やっぱり付き合ってその人のこと知らなくちゃなんないもんね。

舞い上がる気持ちの前に、色んな不安と重圧がのしかかってきていた。

この年齢でお付き合いするってことは、それなりの覚悟がいるわけで。

でも、本当にこの人でいいのかってことはまだはっきりしない。

だけど、結婚できるかはその人と付き合わなくちゃいけない。

シュンキの言葉でまだ救われたのは「付き合う」って言葉だけだったこと。

「結婚前提」がなかっただけ随分荷は軽いけど。


草原が突風にあおられて一斉に倒れる。

羊の群れがさーっと山の奥に消えて行った。

今朝感じた孤独感。

あれは正直きつかった。

あんな思い、次同じ思いをしたら、私は耐えられるのかわからない。

「お付き合いさせて頂いていいですか?」

シュンキの目を見ながら答えた。