客席はひしめき合うように人がぎっしり入っていて、ラーメンの香りが充満していた。

暑苦しい光景だったけど、ラーメンの匂いはとてもいい香りで、一気に空腹感が増した。

私たちが案内された席は狭いカウンター隣同志。

座ると、シュンキの肩が私の肩に触れた。

めちゃ狭いっての!

パーソナルスペース超無視な感覚。どんなけ儲けようっての、このラーメン屋!

年を取ると、こうも曲がった考え方をしてしまうものなのかと、心の中で叫びつつ凹む。

「さ、何食べます?」

メニューは意外と多かった。

何やらトッピングが色々と選べてそれがこのお店の売りらしい。

周りをさりげなく見渡しながら、

「何がオススメなんですか?」

とシュンキに聞いてみた。

初めてのお店の場合、常連のオススメを聞くに限る。

「僕はいつもとんこつゆで卵、高菜のっけと明太ご飯にするんですけどね。女性には少し多いかな。」

全然多くないんですけど!!

私が一般女性より食べ過ぎなんだろうか。

そういえば、マシュマロマンとか言われて笑われてたっけ。

「じゃ、明太ご飯を頼まないでゆで卵、高菜のっけにします。」

とりあえず、少なめにシュンキに言った。

「了解。」

シュンキは爽やかに笑顔を向けると、店員を呼んで注文した。

なんて、全てにおいてスムーズで無駄のない動きをする人なのかしら。

水を飲むシュンキのきれな横顔を盗み見ながら癒されていた。