シュンキのいうラーメン屋は映画館から10分ほど歩いたところにあった。

人気のお店だけあって、既に10人くらいのお客が外で待っていた。

「あー、やっぱりちょっと遅かったか。」

シュンキは外に溢れているお客を眺めながら頭をかいた。

「すごい、人気のあるお店なんですね!楽しみだわ。」

肩を落としているシュンキがかわいそうで、そう言った。

本当はお腹空いてたからすぐにでも食べたかったけど、ここはしょうがない。

その代わりおいしいラーメンにありつけるってことで。

シュンキは私を見て、穏やかな顔で微笑んだ。

「優しいんですね。カイトが言ってた通りだ。」

その目に思わずドキンとする。

それに加え、カイトが言ってた通りだ、ってどういうこと!?

私が優しいだなんて、シュンキに言ってくれてたわけ?

ま、まぁ。私がシュンキとうまくいけばいいってことで思いやりの言葉でしょうけどね。

なかなか気の利いたこと言ってくれるじゃない。

「優しいんですね」なんて普段言われ慣れない言葉にドキドキして、不覚にも何も返せない自分がいた。

列に並ぶ。

待ってる間、何話そうかと思っていたけど、シュンキから色々と話題をふってくれた。

シュンキとカイトの昔話がほとんどだったけど。

二人は高校時代からの親友で、成績も運動神経もずっと互角だったらしい。

なんかわかるわかる。

好きになる女性も似たり寄ったりで、一時は喧嘩して口も聞かなかったこともあったって。

似た者同士なんだね。

私からすれば全く違う二人だけど。

そんな話をしていたら、自分達の順番が来てお店の中に案内された。