あわてて、その番号をクリアする。

おっと、もう少し落ち着こう。

じゃないと、かけちゃったとして、何しゃべればいいかわかんないじゃない?

あたふたしてたら、相手に怪しまれるし。

年齢も年齢なんだから、もっと堂々と、冷静に、それでいて機知に富んだ会話で話を進めなくちゃ。

そう、まず、第一の目標は「二人でデート」。

それって、私がシュンキにかなり好意持ってるって思われるよね?

絶対。

この年でそんな風に思われたら、シュンキは重たく感じるんじゃない?

いやいや、シュンキも好意を持っていたとしたら、そこから話がトントン拍子ってこともある。

あー!

もう嫌。

どうすればいいんだろう。

私の脳細胞達が悲鳴を上げている。

時計を見たら、もう23時。

常識的な人間は23時なんかに電話なんかしない。

だよね。

やっぱ今日は遅いからやめておこう。

「今日やらずしていつやる?今でしょ?」

どこかの塾の先生がそんなこと言ってたっけ?

でも、でも、もう遅い。

明日はまた仕事だ。

きっとシュンキもね。

明日は、もう少し早い時間から考えよう。

そして電話しよう。

自分なりにようやく納得した。

そしてベッドに滑り込む。

その時、スマホが鳴った。